足利市役所移転説明会に参加して思ったこと
昨日(11/28)、足利市役所の移転に関する説明会に参加してきました。
市長から示された、移転の「大きな理由」は主に次の2点でした。
① 現市役所は震度6クラスの地震で倒壊の恐れがあり、安全確保のために早急な対応が必要であること
② 将来世代に借金を残したくないという考え
いずれも「なるほど」と思える理由ではありますが、説明を聞きながら、いくつか疑問も湧いてきました。
工期は本当に競馬場跡地のほうが早いのか?
ひとつ目の疑問はこれです。
現在地(市役所北側駐車場)に新設する場合と、競馬場跡地に建設する場合で、
完成時期が同じであるなら、
「耐震性の問題があるから急ぐ」という理由は成り立たないのではないか?
この質問をしましたが、明確な答えはいただけませんでした。
説明を聞いていると、
「現在地に建て替える場合は、市役所と市民会館を同時に建てる前提」で
工期を見積もっておられるように感じました。
つまり、
-
市役所単体での建て替え
-
市民会館と同時に整備した場合
この違いが、論点として整理されていない印象を受けました。
建設費の差は22億円。しかし…
ふたつ目の質問は、建設費の違いについてです。
現在地と競馬場跡地では、どれくらい建設費に差が出るのか?
→ 回答は「約22億円」でした。
ただし、この22億円は
「建設費が安くなる」という意味ではなく、
市役所と市民会館を複合化することによって、
共用できる設備・スペースがあるため削減できる金額
という説明でした。
つまりこれは、
競馬場跡地だから安くなる
のではなく
複合化したから安くなる
という話です。
では、
-
本当に複合化しないといけないのか?
-
分けて建てる選択肢は十分に検討されたのか?
という疑問が、自然に残ります。
複合化は「正解」なのか?
三つ目に聞いたのは、
市役所と市民会館は、
無理に複合せず、独立させた方がいい部分もあるのでは?
という点です。
これに対しては、
「それは人によって考え方が違う」
という、やや抽象的な回答でした。
確かに、価値観の問題はあります。
ただ、22億円という大きな金額が出てくる計画である以上、
もう一段、具体的な説明が欲しかったな、というのが正直な感想です。
率直な印象
全体として思ったのは、
計画そのものが悪いというより、
「少し雑に決められているように見える」
という印象でした。
-
耐震
-
市民会館
-
費用削減
こうした目的がすべて「競馬場跡地」に集約され、
耐震も必要
市民会館も必要
複合化すれば安くなる
だから競馬場跡地で
という、やや短絡的な組み立てに見えたのです。
市役所は、街の中心にあるべきなのか?
説明の中で市長は、
「市役所が市街地にあることで、街の活性化にどれほど寄与しているのかは検討の余地がある」
と話されていました。
たしかに、
-
土日は誰もいない
-
昼の飲食需要も限定的
-
来庁者は目的があって来て、用が済んだらすぐ帰る
という現実もあります。
であれば、
市役所があるから街が生きている
のではなく
「何があるか」で街は生きる
という視点で、考えるべきなのかもしれません。
だからこそ「跡地」が大事
もし市役所が移転するのであれば、
重要なのは「移転先」より、
むしろ「跡地に何をつくるか」だと思います。
中途半端な施設を置けば、
市街地はさらに静かになってしまうでしょう。
ならば、
市役所の跡には、
市役所よりも人が集まる場所を
という発想が、必要ではないでしょうか。
私自身は、
相田みつを美術館
というアイデアは、とても面白いのではないかと思っています。
足利が生んだ表現者を、
足利の中心で感じられる場所。
観光客だけでなく、
市民が日常的に訪れる場所になれば、
それは街にとって大きな意味を持つはずです。
「もう決まったこと」ではなく
「みんなで考えること」
説明会を聞いて一番強く感じたのは、
この話は「決まったこと」ではなく、
まだ「考える余地がある話」だということ。
市役所というのは、
行政の箱ではなく、
街のかたちそのものです。
誰かに丸投げせず、
利害を越えて、
「この街をどうしたいのか」
を、
もう一度みんなで考えたいと思いました。
副