足利の区画整理を考える②-店舗は主要道路に面していた方がいいのか?-
道路を広げることで隣接する土地の価値が上がる理由のひとつに、道路の幅が広い方が狭いよりも人通りや車通りも多く、見通しも良いことから宣伝効果が高くなるので商業的に有利であるというものがあるらしい。(ネット参照)たしかに主要な道路は交通量も多く、それだけお店が目に入る機会も増えるだろう。
しかしここで疑問が二つある。ひとつは、足利のような自動車社会は歩いている人がほとんどいない。そうなると、自動車を運転しながらお店が目につくということになるが、果たして自動車を運転しながらそこまでお店が目に入るだろか。自身の経験からすると、歩いているときのほうがよほど新しい発見がある。むしろ道路が広ければ広いほどスピードが出るので見逃されてしまうのではなかろうか。
そして二つ目が重要なのだが、足利のような都会でもなく、田舎でもない街では、知人に遭遇する確率が非常に高い。遭遇せずともただ歩いているだけで、車から一方的に発見されることもままある。何が言いたいのかというと、たとえ広い道路に面しているところに店舗があり、気になるお店を見つけても、果たしてお店に足が向くのかということだ。車からの視線が気になってしまい、足が遠のいてしまうではなかろうか。(この車からの視線というが非常に奇妙なもので、歩行者からは反射して中が見えづらい一方で、車からは歩行者が丸見えである。このような不公平な環境も、歩行者が少ない理由のひとつだと思っている。)
東京であれば、知り合いが身近にいることなどそうそうないので気にすることはないし、歩行者が多数を占めている。しかし足利ではそうはいかない。であれば、店舗の立地として最適なのは主要道路から一本外れた、車通りの少ない場所なのではないかということだ。いやそうなると人目につかないのではないかと心配するかもしれないが、今はSNSの時代。現実の道路よりバーチャルのSNS世界の方がよほど人目につく。むしろどれだけ主要道路に面していてもSNSで宣伝しなければ、人は来てくれないかもしれない。
つまり道路を広げるということは、自動車の行き来がスムースになるだけで商業的にはあまり有利に働かないのではないかということ。むしろスムースに太田のイオンや佐野のアウトレットに向かってしまうのでは?
副