あたまと現実
kofukuji
足利 祥林山 高福寺
この前、区画整理の説明会に参加した。そこでは、新しい区画が書かれた地図があり、市役所の方から説明を受けた。人によっては、家を移転する必要があったり、自分の土地が小さくなったりしている。いや、基本的に区画整理=道路を広くすることらしいので、土地が小さくならない人はほとんどいなそうだ。
しかしここが不思議なところなのだが、土地は小さくなるがその土地の価値は上がるそうなのだ。むしろ価値が上がるから小さくなるんだというような説明もされる。チンプンカンプンだ。
それでよくよく市役所の方の話を聞いてると、「道路が広がる=隣接する土地の価値が上がる」ということのようだ。そこまで理解できてやっとなぜ土地が小さくなるのに価値上がるって言い張っているのか合点がいったのだが、ここでひとつ疑問が残る。
それは、「道路が広がる=隣接する土地の価値が上がる」という価値観を押し付けてはいないかといことだ。そもそも「道路が広がる=幸せ」というが万人の価値観なのだろうか。少なくとも車を運転する人にとっては快適になるだろうが、それを昔からそこに住んでいる人に当てはめられるのだろうか。仮に自動車を持っていない人はどうなのだろう?最近はお年寄りの免許返納が話題になったりするが、自動車を運転しない人にとっての区画整理はただ自分の土地が狭められるだけではなかろうか?
別に区画整理が悪いと言っているわけではないが、価値というのは人それぞれであり、自分の価値観が他人の価値観と同じだと思っていると、思わぬ弊害を生んでしまうことをよくよく考えないといけないと思う。そうじゃないと、区画整理後に残るのはただの自己満足の街並みになってしまうだろう。
副