副住職日記

緑は好きだけど、落ち葉はきらい

kofukuji

 木があると、枯れ葉が落ちるから掃除しないといけないし、虫もでる。でも緑は好き。その両方の願いを叶えた庭が点々と生えた木々に下草の全くない庭。果たしてこれは道理に適っているのだろうか。

最近、造園業を営まれている髙田さんという方が書いた土中環境という本を読んで、境内の土づくり、緑づくりのチャレンジをはじめました。髙田さんによると、自然というのは土のなかも含めて絶妙なバランスで保たれているそうで、そのバランスが崩れることで、害虫が発生したり、樹木が枯れたりするそう。

これは境内の様子ですが、所々に木が点々と植えてあり、地面には砂利が敷いてあります。おそらくこのような環境は決して樹木にとってバランスがとれた状態とは言えないでしょう。雑草も生えずらく、下草が無いため蚊の発生も防げる。

しかし、高田さんの著書の中には、やぶ蚊というのはバランスのとれた健全な森にはあまりいないとおっしゃっています。健全な森が身近にない現代人には、にわかに信じがたいかもしれませんが、高田さんが手がけたお庭にお邪魔させていただい際、たくさんの木が植えてあるにもかかわらず、ほとんど蚊はおりませんでした。

マツ枯れやナラ枯れも、虫の影響ではなく、土中の環境の変化が大きいそう。人間の要求を満足させようとした結果、いたずらに自然環境を壊し、しかも満足に害虫駆除もされず、樹木も枯れてしまう(高福寺では門前の松が枯れてしまい、ソメイヨシノのカミキリムシ被害も甚大です)というなんとも皮肉な結果になっているのではなかろうか。

ということで、枯れてしまっている境内の改善に着手しました。

とりあえず、この区画から着手

穴を掘って、炭とくん炭➔落ち葉➔炭、くん炭の順番で入れていきます

20か所ほどやってとりあえず様子見です。今はこの上に落ち葉をかぶせてます。今後の変化に期待です。

めんどうな枯れ葉があったり、うっとうしい虫がいたり、思う通りにいかない人生だから、楽しいこともあると思います。落ち葉や害虫は人生の味付けです。

高福寺緑化推進委員会

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