どれが釈尊の本意か
kofukuji
足利 祥林山 高福寺
いま、世界には約80億人の人が生きている。
けれど、これまでに生まれて、死んでいった人の数は、およそ1000億人と言われている。
その1000億人の人生。それぞれが、誰かを想い、失い、悩み、望んで、挫折して、たぶん何度も涙を流してきた。
仏教を開いたお釈迦さまは、こんな言葉を残している。
「これまでに人が流してきた涙の量は、海の水より多い。」
え? ほんとに? って思うかもしれない。でも、これは「物理的な話」じゃない。
それだけ人の人生には苦しみが多い、ということを伝えるための言葉。
だから仏教は、「苦しみなんて気のせいだ」とか、「気合で乗り越えろ」なんて言わない。
まず「苦しみはある」って、ちゃんと認める。そのうえで、
「じゃあ、その苦しみにどう向き合っていくのか?」
「それに振り回されずに、どう生きるか?」
そこに、仏教の知恵がある。今、何かに悩んでいる人がいたら、それはあなただけじゃないし、あなたの涙も、この膨大な世界の歴史のなかでの1ページ。
でもその涙の向こうに、変われる道がある。超えていける方法がある。
それを知ることが、人生の質を、ちょっとずつ変えていくことにつながっていく。
副