副住職日記

お釈迦様だって批判されていた

kofukuji

 誰かに否定されずに何かを成し遂げることができるのか。八方美人という言葉があるが、八方美人にデメリットはないのか。八方美人は己を幸せに導くか。わたしの感覚では「誰にも批判されないもの=真理」ということにはならないと思う。なぜならあのお釈迦さまだって批判されていたのだから。

この国(インド)のふるい宗教者であるバラモンがあたらしい宗教者であるブッダにたいして、こころよからぬ感情をいだいていたことは、経典のしばしば記しているところである。(中略)近づいてきた彼は、ありったけの大声をあげて、ブッダに、怒罵をあびせた。

仏教百話 増谷文雄

波風を立てずに人生を全うすることもできると思う。でもおそらくその生き方には代償が伴う。足短大の社会学専門の先生がおっしゃるには、この世で一番安全な場所は刑務所だそうだ。すべてが管理されており、なにも心配する必要はない。しかしその代わり自由はない。

自由に生きるとは、リスクを背負うということだ。だからお釈迦様はリスクを背負って王子の身分を捨てた。その時も相当な批判があっただろう。そのリスクを背負っても正しいと思う道のために進んでゆくところに人間として生まれた甲斐というもながあるのではなかろうか。

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